高血圧の薬の種類

高血圧は上が140、下が90以上が長期に続いている場合、高血圧治療薬が用いられることがあります。高血圧の場合は心疾患や脳卒中などの合併症を招きやすく、合併症により治療薬が変わります。

 

高血圧の治療は、低リスク、中等リスク、高リスクの3種類に分類され、それぞれの治療方針が立てられます。低リスクとは上140〜159、上90〜99まで、予後影響因子が無い場合です。中等リスクは血圧が上140〜159、下90〜99までで、糖尿病以外の危険因子が1〜2ある場合です。また、予後影響因子が無い場合は、上が160から179、下が100〜109までの範囲となります。それ以外はすべて高リスクです。

 

低リスクなら生活習慣の改善を試みて、3ヶ月以内で上が140、下が90以上であれば投薬が開始されます。中程度なら1ヶ月以上、高リスクはすぐに治療の対象となります。

 

利尿薬

尿量を増やす治療薬です。体内の水分排泄量が少なく、血液量が多いと血圧は高くなります。このような症状がある患者さんには利尿剤が効果的となります。

 

カルシウム拮抗薬

血管を収縮させカルシウムを抑制します。血圧を上げる原因となっているカルシウムの取り込みを妨げ、血管を広げて血圧を下げる働きがあります。

 

アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)

高血圧の原因となるアンジオテンシンUをつくらせないようにします。この物質をつくらせないようにし、血管を広げ血圧が下がる働きがあります。

 

アンジオテンシン受容体拮抗薬 (ARB)

高血圧の原因となるアンジオテンシンUを抑制する働きがあります。この物質を抑えることにより、血管を広げ血圧を下げる働きがあります。

 

β遮断薬

心臓の心拍の働きを抑え、血圧を下げるための薬です。

 

α遮断薬

血管を広げて血圧を下げる薬です。

 

高血圧の薬には血管を拡張させる薬のカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、α遮断薬があります。さらに血流量を増やすβ遮断薬、利尿剤と分けられます。

 

高血圧の薬物療法の注意点

高血圧の多くは本態性高血圧といって原因がわかっていません。原因が特定されれば、それを改善するのが一番効果的です。降圧剤を飲んで血圧を下げることは合併症を防ぐことになりますが、薬で下げれば生活習慣を改善しなくてもいいと思うのはよくありません。

 

高血圧の薬には、神経からの刺激を遮断して血圧を下げる薬、交感神経遮断薬、尿量を増やす利尿剤、など多くの薬がありますが、正しく服用しないとかえって血圧が下がりすぎることがあります。

 

また、薬を飲んでいる間は当然血圧も下がるのですが、高血圧になった原因が取り除かれたわけではありません。勝手に服用を止めるとまた血圧が高くなり、合併症を起こすことがあります。

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