高血圧の利尿剤(利尿薬)

高血圧では利尿剤が処方されることがあります。利尿剤とは尿の量を増やし、余分なナトリウムを尿と一緒に排出しやすくする薬です。体内にある水分の量も調節しやすく、むくみが改善されたり、血圧が下がる効果が期待できます。

 

高血圧の利尿剤とは?

高血圧

 

高血圧になる原因のひとつが塩分のとりすぎで、塩分のなかのナトリウムが多くなると、体内に水分を溜め込んでしまいます。すると血液中の水分が増え、血液が流れる量が多くなるため、血管への圧力が高くなり高血圧となります。

 

利尿剤は腎臓に働き、尿の量を多くしてナトリウムと水分を一緒に排出させます。尿が増えれば血液中の余分な水分も少なくなり、血圧が下がる仕組みです。

 

尿を増やして水分を多く出す。このようにシンプルな医薬品で、薬価も安く手ごろな高血圧の薬です。しかし、尿を出すことは副作用もあるため注意しなければなりません。

 

利尿剤の副作用

利尿剤を使って尿の量を多くすると、血液中のカリウム濃度が下がってしまうことがあります。さらにアンジオテンシンUに影響が起こり、逆に血圧が上がってしまうこともあるのです。アンジオテンシンUは高血圧の原因のひとつで、増えすぎると利尿剤を使っても血圧上昇に働いてしまいます。

 

利尿剤は薬で無理やり尿の量を増やして、体内のバランスを変える薬です。カリウムの濃度が減れば、腎臓機能障害を起こすこともあるため、注意する必要があります。とくに糖尿病や通風がある方は、高血圧で利尿剤を使うことはできません。

 

つまり利尿剤は短期間の間で使用し、一時的に尿量を増やし血圧を下げるのには向いているのですが、一方で副作用もあるため長期的な使用はしないほうがよいのです。尿酸値が高くなれば、腎臓機能障害を起こしやすく、適度に血液検査をして続けるべきか判断する必要がある薬なのです。

 

カリウムでナトリウムを排出させよう

ナトリウムを尿と一緒に排出させて、量を減らすために使うのは利尿剤だけではありません。食品に含まれるカリウムも、ナトリウムとのバランスを調節する働きがあります。

 

食品に含まれるカリウムを摂取する方法なら、利尿剤のような副作用が現われる心配がありません。ただし、塩分の過剰摂取が原因で高血圧になっている人には有効なのですが、インスリン抵抗性により交感神経が過剰になっているタイプの方は、果物の食べすぎで逆効果になることもあります。

 

詳しくは、りんごと柿のどちらが高血圧にいい?の記事も読んでみてください。

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